大阪市消防学校 体験訓練
2002.9月

大阪市消防学校 体験訓練  上殿 祐美子

「ファイヤーマンの祈り」でフェアリーズを演じるにあたって、消防訓練は絶対
経験したいと思っていたので今回参加させていただける事になってすごく嬉しか
ったです。ロープ渡りなどもあるかも…と聞いていたので少し不安もありました
が、それよりもワクワクする気持ちの方が大きかったのですごく楽しみにしてい
ました☆
大阪市消防学校に着くと、消防学校の生徒の方が熱心に訓練されているのが見え
て、気持ちがすごく引き締まりました。

まずは、暗中体験。本当に真っ暗な部屋を、右手を壁に沿わせてそれだけを頼り
に進んでいきます。私たちは初めてだったので、段差も障害物も全く無い普通の
部屋だったのですが真っ暗で全く知らない部屋だと思うだけで恐怖感が…。本当
は障害物もたくさん、煙や炎やその他たくさんの危険があるんだと思うと、とて
もじゃないけれど今の私たちには想像がつきません。

次は、部屋の真ん中に薪を燃やし、部屋の中を煙が充満していく様子を観察しま
した。煙は熱いのでまずは上に行きます。座って観察していると、煙は上からど
んどんたまっていくので煙の層がはっきりと見え、だんだん下に下がってくるの
もはっきりと分かりました。少し上のほうにたまってきた時、消防の教官の方が
「では立ってみてください」とおっしゃり、立ってみると頭がすっぽり煙の層に
入り、目の前も全く見えない状態でした。【そこでは立ってみても煙の層に背が
届かないメンバーも…☆ぴょんぴょん飛んでどうにか煙を体験しようとしている
のが笑えました(笑)】

次は本当に消防士の方が使っていらっしゃる酸素ボンベを実際につけさせて頂き
ました。実際に使用するボンベの中で一番小さいボンベを用意してくださったの
ですがそれでもめちゃくちゃ重くて、背負ってみると本当に思うように動けませ
ん。中学生の綾香は立つのも一苦労で教官の方に手伝って頂かないと立てないほ
どでした。私たちはそれを酸素ボンベやマスクを一式装着するまで何分もかかっ
てしまいましたが、実際には一瞬で全てをきっちり装着しなければなりません。
その一瞬で装着される姿には見とれてしまいました。

そして、その酸素ボンベを付けて、さっき薪を燃やした部屋にもう一度入ります
。この時にはもう部屋中に煙が充満していて酸素ボンベを付けないと入れません
。入るときには教官の方が一緒についてくださり、ロープで教官の方と私の体を
つなげていきました。部屋をあけた瞬間、熱気が熱くて熱くて…。教官の方はし
ゃがんでさっさっと歩いて行かれますが、私たちはしゃがもうとしても背中にあ
る酸素ボンベが重くて思うように動けず、這っていくのが精一杯。一瞬だったの
ですがすごく疲れてしまいました。

そして、次は放水訓練です。まずはホースの重さを体験。一つのホースだけで10
キロあるらしく、ホースを担いで走ってみましたが、1個担いでいるだけで「ダ
ッシュ!」なんてとてもじゃないけど出来ません。ホースを伸ばすのも思うよう
にまっすぐ伸ばす事が出来ず、しかも最後まで伸びきりませんでした。私達の力
の無さをまたまた実感させられました。

放水訓練では、建物の2階ぐらいにある5つの的に向かって放水するのですが、
これこそ一人では水の圧力で後ろに飛ばされてしまいます。後ろに教官の方がつ
いてくださり、何とか放水し始めたのはいいのですがまっすぐに出すのが精一杯
で方向を変えることができません。何とか終わった時には放心状態になってしま
いました。

全てを終えて、本当に身をもって実感した消防士のいう仕事のすごさ。
酸素ボンベもホースも着るものも全てが重くて、想像していた以上でした。やっ
ぱり人の命を守るには、並大抵の努力や勉強では出来ない事なんだなと思いまし
た。そして、フェアリーズはそれを全てやり終えた人たちなんだなと思うと、仲
間への意識も全く変わりました。私達が体験したのはほんの一部ですが、それだ
けでも経験できてすごく嬉しいです。この経験を絶対次の舞台に活かします!

最後に何にも知らない私達に初めから丁寧に優しく教えて下さった大阪市消防学
校の教官の皆様、本当に本当にありがとうございました!!