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ミカエル |
「キャハッ!」 |
ジョージア |
「あんただれ!!」 |
ミカエル |
「ミカエル!!!」 |
ジョージア |
「どっから入ったの!!」 |
ミカエル |
「あんたが連れてきたの!」 |
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ジョージア |
「わたしが! いつ?」 |
ミカエル |
「昨日、たまご持って帰ったでしょ?」 |
ジョージア |
「え?・・・あれ!? な、ない、たまごがない! 昨日たしかにここへ置いて・・・・
あなた、もしかして・・・・・・て ん し?」 |
ミカエル |
「そう。 言ってたでしょ 昨日も、ちゃんと。」 |
ジョージア |
「だって、鶏のたまごだって・・・」 |
ミカエル |
「キャハ」 |
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ジョージア |
「じ、じゃ あの人は 誰なの?」 |
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ミカエル |
「ああ あの人は 天使の卵を配達する人だよ。」 |
ジョージア |
「信じられないわ。」 |
ミカエル |
「あなたが信じたからあたしちゃんとこうして出てこれたのよ。
もしもあなたが信じてなかったら あの卵は、今ごろ ポン! ジュー!目玉焼き!
ただの鶏の卵になってたとこよ。 あなた昨日、これがホントに天使の卵だったらって思ったでしょ?」 |
ジョージア |
「ええ。」 |
ミカエル |
「どうして そう思ったの?」 |
ジョージア |
「天使があらわれて夢を叶えてくれたらって・・・」 |
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ミカエル |
「キャハ わたしたちは天国のおやすみを利用して、ちょっとあなたのお手伝いにあらわれただけよ。」 |
ジョージア |
「もしかして、夢を叶えてくれるってこと?」 |
ミカエル |
「夢って? どんな夢?」 |
ジョージア |
「私の夢? 私の書いたお芝居で世界中の人々を幸せにしたい!愛したい!そして、世界中の人に愛される脚本家になりたい!」 |
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ミカエル |
「ねえ、あなたはその夢が叶うって信じてる? ・・・自分が信じられないような夢はゆめとは言えないのよ。」 |
ジョージア |
「し、・・・、信じてないわ。 だって、何度書いても・・・、何度挑戦しても・・・うまくいかないんだもん(泣き出す)」 |
ミカエル |
「ジョージア もっと自信を持つの!!
あなたが、自信を持って心から願えば、全宇宙があなたの味方をしてくれるんだよ。」 |
ジョージア |
「全世界?」 |
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ミカエル |
「ううん、全宇宙だよ。小さな夢は小さなアンテナ、大きな夢は大きなアンテナを持ってる人がキャッチしてくれるの。・・・ねえ 手をかして。(ジョージアの手を握る)」 |
ジョージア |
「あったかい。」 |
ミカエル |
「ジョージア、人には誰にでも、素晴らしい才能と人を幸せにする使命があるんだよ。
大切なのは、それを本気で信じ続けることが出来るかどうかなんだ。」 |
ジョージア |
「うん。」 |
ミカエル |
「自分の可能性を信じる?」 |
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ジョージア |
「うん。」 |
ミカエル |
「どんなときも自分の可能性を信じ続けるって約束してね。・・・よかった!(とにっこり)
ところで、ほかの卵みなかった?」 |
ジョージア |
「ほかの卵?」 |
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一瞬の暗転・大音量と共にあらわれる笑顔の天使達 |
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天使達 |
「キャハハハハハ!」 |
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♪「ないよ」♪
ないよ なんにもないよ
目に見えるものは ほんとはないよ
もっとだいじなもの
見えないふりして みすごしてる
おとなになると 見えなくなる 大切なもの
おとなになると 忘れてしまう あたしのなまえを
ひとりで どこでも なんでも やりたい きもちはあるけど
しらないひとから こえかけられたら とってもコワイよ
おとなのせかいじゃ 責任のがれの リストラクチャー
そんなのどうでもいいから もっと自由に生きてみたい |
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ミカエル |
「ねえ みんな! 紹介するわ この人がジョージアよ」 |
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いっせいにジョージアの方を見る天使達 輝くばかりの笑顔で天使の正式なごあいさつしました。 |
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ジョージア |
「はじめまして。」 |
天使達 |
「キャハハハハ」 |
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その中の一人の小さな天使がジョージアのそばへやってきました。
ティンプは笑顔でジョージアを見上げています。
ティンプは、手をのばしてジョージアに何かを渡そうとしています。 |
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ミカエル |
「ジョージア プレゼントがみえる?」 |
ジョージア |
「見えないけど?」 |
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そう言ったとたんティンプの後ろにいる天使達が、いっせいにざわざわと話始めました。 |
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セラフ |
「だめだよ 目でみようとしちゃ。 心でみてごらんよ。」 |
ジョージア |
「こころで?」 |
チャイム |
「うん そう こころで見るんだよ。」 |
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あいかわらずティンプは、手を差し出しています。 |
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ティンプ |
「はい。 ね 見えるでしょ?」 |
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ティンプの手からペンを受け取りました。
ジョージアの手の中には、美しい羽根のついたペンが握られていました。 |
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ジョージア |
「まあ!なんてきれいなペン!これを私に?」 |
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ミカエル |
「ジョージア ほんとうにやりたい仕事しなきゃね。」 |
ジョージア |
「え?」 |
チャイム |
「週刊誌に書いてるゴシップ記事の仕事はキャンセルしてね。」 |
ジョージア |
「でも・・・あの仕事をやめたら・・・」 |
ビオラ |
「なにかを捨てなきゃのぼれない階段もあるよ。」 |
セラフ |
「そうだよジョージア、人間には捨てちゃいけないものと捨てなきゃならないものがあるんだよ。」 |
ミカエル |
「わかるよね。」 |
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ジョージア |
「・・・・わかるわ。わたしもう少しで大切なもの捨てるところだったわ・・。
私のプライド、私の夢、私が生きている意味を・・・
私もう一度書くわ このペンで人に勇気を与える作品を書くわ。
そうだ!今度は小さな天使が主役の物語にするわ。」 |
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天使達は、いっせいに楽しそうに笑いました。 |
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暗転
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