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第二場
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ジョージアの家 |
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向かいの家
小鳥のさえずりと共に朝がやってきました。ジョージアの家は、町外れです。
お向かいのテラスには、アンディが雑誌を読んでいます。
その隣には 母親のアニーがいつものようにロッキングチェアに揺られて楽しそうに鼻歌を歌いながら編み物をしています。
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アンディ |
「ママ、静かにしてよ、今、Xファイル特集号の一番おもしろいとこなんだから。」 |
アニー |
「あらそお〜。でも、いま いいメロディーがうかんだのよ!」
ラララーー♪ |
アンディ |
「初めて聞くメロディーでも音が狂ってるってわかるよ。
僕はエルビスの再来だって言われるのになあ。」
(上着を振り回して踊りだす) |
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アニー |
「私の頭の中で素晴らしい音楽が鳴ってるの。」(と歌いつづける) |
アンディ |
「あっそ。ママのいいところは、細かいことを全然気にしないところだよ。」 |
アニー |
「そおね。ありがとう。」 |
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郵便配達のポール登場 |
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ポール |
「ジョージアさん郵便でーす! スターランド劇場からですよ。」
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ジョージア |
「はーい ありがとう」 |
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ジョージアは、急いで封を切り読みます
興味しんしんのご近所さんがそーっとジョージアのそばに近づき手紙をのぞいています。
アンディ、雑誌を読んでる振りをしながら、興味しんしん。 |
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ご近所さん |
「『あなたの作品を読ませていただきました。なかなかの読みごたえあるものでした。しかしながらこのたびのあなたの作品は、残念ながら会議の結果、採用には至りませんでした。』」
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ご近所さん |
「ジョージア またダメだったの。
えーっとたしか今度で5回目よね。」 |
ご近所さん |
「本当に残念ね。でも、もういいかげんにあきらめて結婚相手でも探したほうが方がいいんじゃないの。」 |
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ポール |
「僕 立候補しましょうか?」 |
アニー |
「(励まそうと思って)ジョージア、元気出してね!ファイト!!」 |
ジョージア |
・・・。 |
アンディ |
「(声をひそめて家の中のオリエント夫人を呼ぶ)おばあちゃん、おばあーーちゃあーーん。」 |
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オリエント |
「なあに。おまえが毎日研究してる宇宙人でもでたのかい。」 |
アンディ |
「(声をひそめて)ジョージアの脚本がまたダメだったんだって!」 |
オリエント |
「まあ、そんなことでいちいち呼ばないで頂戴な、アンディ。あたしゃ忙しいんだから。
いいじゃない 何度でも挑戦すれば。皆さんもよかったら食べてってちょうだい。
今日はね、青汁でプリンを作ってみたの。」 |
アニー |
「おばあちゃん、新作ね。おいしそう。」 |
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そう言って オリエント夫人とアニーは、家へ入りました。
アンディは残りたそうでしたがオリエント夫人に耳を引っ張られて連れて行かれました。
ご近所の奥様たちは、誰かにそのことを言いたくてたまらなくなりました。
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ご近所さん |
「ご近所のみなさまー!」 |
ご近所さん |
「リトルロック最新ニュースでーす!」 |
ご近所さん |
「ジョージアの脚本がまーた、ダメだったんですって。」 |
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ご近所の奥様達はいつもの楽しみとばかりすっ飛んできました。 |
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ご近所さん |
「あーら まだそんな事やってらしたの。」 |
ご近所さん |
「いいわねお気楽で。」 |
ご近所さん |
「夢もほどほどに見ないと。」 |
ご近所さん |
「ねぇ奥さま。」 |
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♪「夢はほどほどに」♪ ジョージアを取り囲んで・・
夢を見て いつの日も過ごして
愛の光浴びて この胸に
白いテラスに流れるのは 小鳥の歌うメロディ
そんな甘い夢見てたあの日 時は流れため息ばかりの毎日
こんなはずじゃなかったと悔やんでも 戻らない時は流れ年をとる
だけどそれが人生 甘い考えは捨てて
そうよそれが人生 夢はほどほどに
だけどそれが人生 甘い考えは捨てて
そうよそれが人生 夢はほどほどに
夢はほどほどに My Sweet Dream Good Bye・・・ |
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ジョージア、うちに入り、ご近所の人々もそれぞれのうちへ帰ってゆく・・・ |
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ジョージア |
「・・・神様は私をお見捨てになったのかしら。あたしには才能なんかないんだわ。きっと・・・・」 |
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♪「ひとりぼっち」♪
きっと何かをつかめる気がしたのに 私の夢はみんな幻
どこか遠くへでも出かけてみようか
私の事なんて きっとみんな忘れてしまうね
いつも何かを追いかけて 弱い自分を教えられ
夢を語れば笑われて気がつけばいつもひとりぼっち |
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ジョージア、手で顔をおおってワッと泣く。
どこから来たのか可愛い子供が立っている |
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