第五場
ゲーム会社
♪「コンティニュー」♪
いつだってあなたの そばで待っているよ
今日は何がお望み あなたのおきに召すまま
眠れない夜は朝まで一緒に 遊ぼう
終わりのない世界で コンティニュー
恋も夢も人生だってシュミレーション
なんだかんだいっても結局のところ人生は
点数で決まるんだよ 目指せハイスコア
もっと見せてあげる あなたが望むならば
つまらない現実など戻る必要はない
眠れない夜は朝まで一緒に遊ぼう
終わりのない世界で コンティニュー
青く白い腕を高く振り上げ
目指せさあハイスコア自慢の裏技で
16ピットのプライドは修羅場をくぐったゲームだこ
眠れない夜は朝まで一緒に遊ぼう
終わりのない世界で
コンティニュー コンティニュー コンティニュー
ゲームオーバー
ロイスが社長に叱られています。天使達はロイスを気の毒に思っています。
セガステ社長はドン!と机を叩いて怒鳴っています。
ロイス
「
はい、社長・・・。」
セガステ
「
いったいどうするつもりなの。新しいゲームソフトのシナリオがまだできてないなんて!」
ロイス
「
申し訳ありません。あのー、来週までに必ずなんとかしますから、あと少しだけ待っていただけませんか?」
セガステ
「
あなたの、そのセリフはもう聞き飽きたわ! 首になりたくなかったら今日中に何とかする事ね。
コマンダー
「
今日中ですか?」
セガステ
「
あなた 今なにか言った?」
コマンダー
「
いえ 別に。」
セガステ
「
ロイス!仕事は与えられてからやるものじゃないの、奪い取るものよ、奪い取るもの!さ 早く行きなさい!」
ロイス去る。
コマンダー
「
社長、スポンサーの件で、こちらのお二人がお待ちですが・・・。」
セガステ
「
まあ、ほほほ・・お待たせしました。どこまでお話してましたっけ。あーそうそう、あなたが売り込みにいらしたお芝居の事でしたね。 とにかくね、今は3Dとゲームの時代でしょ。お芝居なんて退屈なもの、最近の子供たちは見向きもしないのよ。ビジネスにならないわね。」
コマンダー
「
ミュージカルならまだ少しはいいんですけどね。」
天使達
「
ミュージカル?」
ビオラ
「
ミュージカル・・・それってどんな味がするんですか?」
セガステ
「
あじ?」
コマンダー
「
あなたはキャンディの売り込みにきたのかしら?」
セラフ
「
違いますよ!さっきからいってるように子供達に夢を与えるお芝居なんです。」
コマンダー
「
ご存じかどうか知りませんが わが社の発売しているゲームソフトはいつも子供達の人気ナンバーワンなんですよ。時代の先端をいってるんです。」
ビオラ
「
オッホン! それならなおさら、スポンサーになってください。子供たちはきっと喜びますよ。」
セガステ
「
ほほほ・・・天使が主役のお話なんて、子供に受けるかしら?いいこと 今時の子供はサンタクロースがいるなんて友達に言うだけで仲間外れにされかねないのよ。夢がないっていうか、うそだって思うなら 子供に聞いてご覧なさい。大きくなったら なにに、なりたいかって。」
セラフ
「
そりゃ宇宙飛行士や、アイドル歌手、サッカー選手、ケーキ屋もいい、あれは楽しそうだから。」
コマンダー
「
まさか!今の子供のあこがれる職業はIT関連の企業か、投資家です。」
ビオラ
「
なんだそりゃ!」
セガステ
「
時代に乗り遅れないこと。体を使わず頭を使うこと、それが一番だって事、子供もよくしってるのよ。」
天使は現実におののき ぼうぜんとして。
セラフ
「
体を使わないとはどういうことですか!!」
ビオラ
「
子供は冒険するものですぞ!」
コマンダー
「
冒険してなんになるんですか?」
セガステ
「
第一都会には、冒険する場所がありませんわ。 時代遅れです。」
ビオラ
「
子供は自然と親しまなくてはいけません!自然から学ぶのです!風から季節を、木から優しさを、水からたくましさを!」
セガステ
「
おほほほ・・そんなじゃまくさいことしなくても、わが社のゲームのスイッチを入れたら全て解決よ。」
コマンダー
「
アドベンチャーゲームにロールプレイング、シューティング、どんな世界でもすぐに行けるし、どんなおもしろいこともシュミレーションできます。」
セラフ
「
子供の想像力さえあればどんな新しい遊びでもつくりだすことができますよ。」
コマンダー
「
いまは大人が与えてやらないと子供は自分で遊びを考えることができない時代なんですよ。」
セガステ
「
そんなことおっしゃってるから、あなたたちのようなお年寄りは子供から嫌われるのですわ。」
天使、顔を見合わす。
天使達
「
わたしたちがおとしより??」
セガステ
「
とにかくうちは、儲からないものにお金を出す気はありません。」
コマンダー
「
悪しからず。」
ビオラ
「
ねえ、子供が自然と遊ばなくなったら 誰が未来の地球を守るの?」
セラフ
「
きっといつかわかってもらえるさ。」
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