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第六場
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ジョージアの家 |
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ジョージアがキムと天使達に囲まれている。 |
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キム |
「もう少しで完成ね。」 |
天使 |
「よかったねジョージア。」 |
ジョージア |
「みんなのおかげよ。」 |
天使 |
「ねえ どんなストーリーなの。」 |
ジョージア |
「聞きたい?」 |
全員 |
「うん! 聞きたい。」 |
ジョージア |
「じゃ いい、読むわよ。」 |
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そのときドアをノックする音が聞こえました。天使達はいっせいに奥の部屋にかくれました。
奥からやってきたミカエルはソファに。 |
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ジョージア |
「はーい 誰かしら。」 |
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キムがドアを開けます。知らない人が立っていました。
後ろにはぞろぞろとご近所の人が・・・・ |
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ケイト |
「初めまして あなたがジョージアさん?」 |
キム |
「いえ、私は居候のキムです。この人がジョージア。」 |
ケイト |
「ああ!あなたがジョージアさんね。はじめまして。私 ワールドテレビジョンのケイト・ラファエルといいます。」 |
ジョージア |
「テレビ局の方ですか?」 |
ケイト |
「ええ。ケイトって呼んで下さい。」 |
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ジョージア |
「ケイト・・・ニューヨークからいらしたの?」 |
ケイト |
「ええ。昨日、ニューヨークのオフィスに電話が入ったんです。
ブロードウエイでミュージカルを上演するためのオーディションをおこなうから、取材してくれってね。それで・・・」 |
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キム |
「ブロードウエイで、ミュージカル?」 |
ご近所達 |
「ミュージカル!」 |
ジョージア |
「しかも、オーディションだなんて!」 |
ご近所達 |
「オーディション!」 |
ケイト |
「あの、ゆっくりお話を聞かせていただけないでしょうか?」 |
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ジョージア |
「ああ、どうぞ、お入りなって。・・・ 大きなお荷物ですね。」 |
ケイト |
「(にっこり笑って)ええ、まあ。」 |
キム |
「コーヒーでよろしくて?(キムはお茶を入れにキッチンへ)」 |
ミカエル |
「こんにちは!」 |
ケイト |
「こんにちは 可愛いらしいお子さんですね。」 |
ミカエル |
「お子さんじゃないよ。」 |
ケイト |
「これは失礼。 名前は?」 |
ミカエル |
「ミカエル!」 |
ケイト |
「ミカエル いい名前ね、まるで天使みたい。」 |
ミカエル |
「どうもありがとう。」 |
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ジョージア |
「お、お話を聞かせていただけないかしら。」
(あわてて、そのあたりの布をミカエルにかぶせる) |
ジョージア |
「テレビ局の方が、こんなところまで取材に来るなんて、いったいどういうことなんですか?」 |
ケイト |
「私も自分で驚いてるの。電話の声を聞いてるうちに、なんだかどうしてもこのミュージカルを取材しなきゃならないって気になってきたの。あの電話をかけてきたのは、誰なんですか?凄いパワーだった・・・マネージャーがいるんですか?」 |
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ジョージア |
「それは その えーと」 |
ミカエル |
「(布から顔を出して)マネージャーだよ、きっと。」 |
ケイト |
「素晴らしいマネージャーね。今日はいらっしゃらないの?」 |
ミカエル |
「きっと あえるよ そのうち。今はいないけど。」 |
ジョージア |
「あの、ミュージカルっておっしゃったけど・・・」 |
ケイト |
「ええ そうじゃないんですか?」 |
ミカエル |
「そうだよ ミュージカルだよ、ジョージア。」 |
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ジョージア |
「ミカエル、ミュージカルって言うのは、歌が必要なのよ。」 |
ミカエル |
「知ってるよ」 |
ジョージア |
「誰が曲を作るの?」 |
ミカエル |
「だいじょうぶだよ、もう曲はできてるから。」 |
ケイト |
「あ、これですね。」 |
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ジョージア |
「いえ、それは ただの原稿用紙です・・・うわあ、みんな楽譜になってる!」 |
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そう言って原稿用紙を見ると楽譜に変わっていた。 |