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ロイス |
「・・・誰だか知らないけど ありがとう・・・・。私にもあなたくらいの子供がいるわ。
・・・もういいの、盗もうとしていたことは確かなんだから、ちゃんと罪はつぐなわなきゃね。」 |
ジョー |
「・・かばってくれて、ありがとう。」 |
ミカエル |
「でも あたしがやったの、歌まで歌わせたのは、あたしのせいよ。」 |
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ジョージア |
「ちょっと待って じゃ さっき夢の中で歌ってたのは・・・?」 |
キム |
「あなたたち?」 |
ケイト |
「どういうこと! 私も見たわ その夢、アニーの曲で踊ってるの!」 |
ジョージア
キム
ケイト |
「夢じゃなかったの!」 |
アンディ |
「さっきから、なにわけのわからないことを言ってるんですか!
あー、じれったい こうなったら僕が警察に電話します!」 |
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その時ひとりの子供が、入ってきました。それはソニアです。 |
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ソニア |
「ママ!」 |
ロイス |
「ソニア!どうして おまえがここに。」 |
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ジョージア |
「ソニア あなたのママって この人だったの?」 |
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ソニアは、泣きだしそうです。 |
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ソニア |
「そうよ。・・・ねえ どうしたの?あたしのママなんか悪いことしたの!」 |
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ロイス |
・・・・ |
ソニア |
「ねえママ お願い 教えて。何があったの? 私を迎えに来てくれたのよねママ。ねえ そうでしょ、答えてママ」 |
ロイス |
「許して ソニア・・・・・」 |
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ジョー |
「(とっさに)お嬢ちゃん、そうだよママは迎えにきたんだよ! よかったね!!」 |
ロイス |
! |
ジョー |
「ねえみんな聞いてよ。この人は、ぜんぜん悪くないんだ。まったくどうしようもないくらい善良な市民なんだ。だからさ、警察へ行くのはあたし一人ってことで・・・」 |
ロイス |
「ジョー・・・」 |
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アンディ |
「そんな勝手なまねはさせませんよ!いいわけは、警察でやってくれ!」 |
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ミカエル |
「あたしのせいだ。どうしよう もうダメだ。」 |
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その時、ジョージアは言いました。 |
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ジョージア |
「オリエントさん!・・・ごめんなさい!私がいけないんです。」 |
アンディ |
「え?なにが」 |
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ジョージア |
「ほんとにごめんなさい、こ、この人達 今度のミュージカルに出てもらう役者さんなの。
それで、こんな夜中にまでお稽古してたのよ。ほら見て、ちゃんと本持ってるでしょ。
だめじゃない あなたたち !ご近所に迷惑かけて!
だから、こんな夜遅くに稽古しちゃダメだって、あれほど言っといたでしょ!」 |
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みんなは、ジョージアが二人を許そうとしているのを知りました。
女優のキムは、あわててジョージアのお芝居の片棒をかつぎます。 |
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キム |
「ま、まったく、いくらお稽古熱心でも昼間にお稽古しないと、ご近所迷惑ですよねえ。」 |
アンディ |
「ジョージア、あんた・・・」 |
ケイト |
「し、信じて下さいよ。」 |
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アンディ |
「あんた さっきこれは特ダネだって 言ったじゃないか!」 |
ケイト |
「え! あ、ああ、あれ、・・・あれは違うのよ、な、なあに、もういやだわ、あ、あれは・・・
「こんな夜までお稽古できて、とくだねー」って言ったのよ! アハハハハハ・・ハハ・・ハハ・・ハハ」 |
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ケイトだけが笑っています。一瞬にして部屋の空気がさむーくしらけました。みんなケイトをにらんでいます。
そんなアホなごまかしをマジで言ったケイトは、恥ずかしくなり赤面しました。
アンディを怒らせてしまったと思いました、が・・・ |
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オリエント |
「アーッハハハハ! あーそう、お稽古できてとくだねーって言ったんですか。
お芝居のお稽古ね。アッハハッハ。 ・・・分かりましたよジョージア、そういうことにしときましょ。
(ロイスとジョーに)許してくださいね、お二人さん。この年寄りがてっきりどろぼうだと思いこんじゃって。
あんたたちも ほら そうやって手をあげるんだもの。」 |
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ライフルを向けられて全員また手をあげました。
オリエントさんは、ジョージアの優しさにうたれて、だまされてあげることにしたのでした。 |
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アニー |
「あたりまえよねえ、いきなりライフルむけられたら誰だって手を上げるわよねえ。
ジョージア、ごめんなさいね、おさわがせして。」 |
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ありがとう、アニー。 ありがとうございます、オリエントさん。」 |
オリエント |
「いーえー、こっちこそ、はやとちりで。だいたいアンディが寝ぼけて変なことばっかり言うもんだから。ふわーあ(あくび)じゃ みなさんおやすみなさい。」 |
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ライフルの動きにつられてまた、全員手をあげてしまいました。 |
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オリエント |
「お休みなさーい。」 |
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オリエントさん達が出ていくのを見届けるとみんなは、ほっと肩の力がぬけました。 |
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アンディ |
「結局、僕が悪者?・・・ま、いいか、ごめんね、ジョージア。」 |
ジョージア |
「ありがとうアンディ。」 |
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ロイスが頭を下げました。 |
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ロイス |
「ありがとうございました。」 |
ジョー |
「ありがとうございました。」 |
ソニア |
「ママ、ほんと? ミュージカルにでるの」 |
ロイス |
「え、・・・」 |
ジョージア |
「ソニア ママは、ママは・・・ママには・・マ、マ、マ、マネージャーになっていただこうと思うの。ケイトの記事でいそがしくなりそうだし、マネージャーが必要になるわ。きっと。あなたの力をおかりしたいの。」 |
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ジョー |
「じゃ今の会社はやめなきゃね。」 |
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ロイスはジョージアの手を握りしめました。 |
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ロイス |
「ジョージアさん、ありがとうございます。 私一生懸命やります。」 |
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ミカエル |
神さまはこう言いました
「わたしは、規則などつくらない ただ愛すること 許すこと 感謝することをしなさい
かたちにとらわれてはいけない 本当に大切な事はあなたがたが光を見失わないことである」 |
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♪「春の風」♪
大好きなあなたのためなら 人になんと 思われても
捨てるものは もうなにもない あなただけを 愛していたい
ほら春の風が吹いてきた もう少しここで休もうよ
夢の続きを話あおう いつも二人で歩いて行こう
その命の尊さだけは すべての人と同じだから
見えるよ誰にも見えなくても 私は見える 愛と勇気が
ほら春の風が吹いてきた 命の歌が聞こえてくる
先のことはわからないけど 何もこわいものはない 今は |
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ミカエル |
「よかったね ソニア。」 |
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ミカエル達はソニアを連れて奥の部屋へ帰りました
ジョージア、キム、ケイト、ジョー、ロイス、アニー、アンディが心をひとつに歌い出す。 |
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♪「夜明けは近い」♪
いつでも 私は夢見て生きるわ いつでも一緒よ 素敵な仲間と
天使が微笑む素敵な今夜は あなたと私の運命の出会い
輝く星空も陽気に踊りだすよ 明日はきっと晴れるよ
夜明けは近い
いつでも 私は夢見て生きるわ いつでも一緒よ 素敵な仲間と
天使が微笑む素敵な今夜は あなたと私の運命の出会い
輝く星空も陽気に踊りだすよ 明日はきっと晴れるよ
夜明けは近い
夜明けは近い |
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歌い終わると大いに盛り上がって手に手を取って奥へ移動しました。
一人残されたジョーが余韻にひたっている |
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ジョー |
「あー、ミュージカルっていいなあ。あれ?(誰もいない事に気づく)」 |
ジョー |
「あのー 私は、どうしたらいいでしょうか。ま いいか・・・」 |
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淋しそうなジョーは、ふとジョージアの脚本に目を留めました。 |
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ジョー |
「タイトルは、・・「てんしのきゅうじつ 」かー。
(大きく感動し、一瞬自分の身体が舞台にのってスポットライトを浴びているかのように踊りだそうとする。)
あたしも、もうバカやめて、オーディション受けてみよう!」 |
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そこへドアをノックする音が聞こえました。 |
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ジョー |
「はーい いったい誰だろ? こんな真夜中に。」 |
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外には、誰かが立っていました。でもジョーにはその人の姿は見えませんでした。 |
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ジョー |
「なんだ 気のせいか。 あ、そうだ、ちゃんと鍵かけとかなきゃね。」 |
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ドアを閉めて鍵をかけました。
立っていたのは、いつかジョージアに卵を渡したフォレストでした。 |
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暗転 |